L + G - side parallel -


6




埃を被ってたって天井から吊るされた電灯の明かりは煌々と目に映る。
うっすらと開いたナミの瞳には、ちらちら揺れるその光とゆっくりと降りていく緑髪の頭が在った。男の舌が彼女の首筋をなぞる。
漏れた吐息と一緒に先生、と一声軽く呼ぶと胸をやわやわと揉んでいた大きな手が、小さく尖った顎に掛かって、それから節くれだった長い指の先があどけなく開かれた唇に触れた。

指先に歯を立てる。

痛みを与えないようにゆっくりと噛む。
唇は吐息に合わせて男の指先を啄ばむように吸っていく。

「ん・・・ッ」

鎖骨に軽く痛みが走った。
ゾロがそこを噛んだから、ナミもまた咥えていただけの彼の指に歯を立てると痛みを共有している気がしてナミは、ピクリと肩を震わせた。

胸の膨らみにゾロが舌を這わせていくと疼いていく快感は彼の舌が触れた肌から大きくなって下腹部の奥まで余韻が響く。

秘所が溢れた蜜に濡れていることを知れば、事実はまた快感となって還ってきて、ナミが小さく喘ぎを聞かせた時、ゾロの歯が既に固く尖っていた乳首に当たった。

「ぁ・・・やだ、先生・・・やっぱりそこは・・・恥ずかしい」

ちっと唾液が鳴るほどにそれを吸った男はナミの喘ぎに合わせたかのように口に深く胸を包むと口内で舌を動かして乳首の先端を攻め立てた。舌の動きに白い体はびくびくと震えて、ナミは抑えられなくなった快感に切れた吐息の合間、懸命に上擦った声を漏らしていった。

「先生・・いやぁ・・・───あ、ぁ・・・だめ、やめてってば・・・あぁっ!」

「何で」とようやく唇を乳首から離したゾロが名残惜しげに赤く染まった乳首をまだ舌先でつつきながら訊くと、ナミは顔をふるふると振った。

「見られたくない」

「何でだよ。」

「ぁン・・・ッ・・・」

顎を仰け反らせてナミは瞳を閉じた。
その様子を見ていれば、快感を覚えているのは明らかで、どうして自分にやめてと言うのかがわからない。
左の胸を揉んでいた手でナミの脇腹を撫で下ろしていくと体の下でそのくびれた腰が浮いた。

ナミの体をこうしてまじまじと見ることは初めてだ。
耽るまでもない短い行為しか知らなかった。
また、それだけで満足をしていた自分が居るし服を全部剥ぎ取ろうとすればこの猫はキッと睨んで今にも引っ掻いてきそうだったから、することが出来なかった。
誰も居ない教室でナミを抱くようになってから冬に移って行くばかりで、薄闇の教室の中女の顔もしかと見取れなかった。

明かりの下、初めて目にしたナミのあられもない姿にその肌の全てを吸い付くしてやろうと思った。

透き通る肌になめらかな曲線を描いた胸は輪郭を目で追えば腹に蠢いていた感覚がそのまま下へ降りて、どんどん息子が勃っていく。

我慢だとか女を満足させようという思いはすぐに脳から消えようとする。
俺がいつも寝てる布団の上にナミが俺の手の動きに合わせて体を浮かせ、部屋の中に声を響かせるだけでぞくりと何かが背を走った。

足の間に体を入れて脱ぐことを忘れていたズボンのベルトを外す。

全部脱ぐ間を惜しんで息子を取り出す。

数時間前にヤッたばっかだが、この状況じゃ勃って当然だろ。

・・・・いや、息子は普段より元気だな。

薄く生えた毛の中を指でまさぐった。
人差し指と親指でクリトリスを捏ねるように摘むと、ナミの体が大きく揺れた。

こんだけ濡れてんだ。直接的過ぎても駄目か。


睫毛を縁取っていた涙が一筋、緩く流れていった。


「コレも駄目か。」

ナミは首を左右に、小さく振って「駄目じゃないけど、駄目」と微かな声で答えた。

「どういう意味だよ。」

割れ目に沿って指を動かしていけばナミは首を振って、だが腰を浮かせては沈ませる。
濡れそぼった入り口で円を描くように指を動かした。
いつもしてる事だ。
この女がそれを好むと知っているからする。

だが、俺が今ばかりは突き上げる衝動を懸命に堪えているように、ナミもおそらくは数時間前よりずっと感じているのだろう。

それだけで軽く達したのか、ナミは俺の手を掴んでいた指に力をこめて「あぁ・・・ッ」と叫んだ。

指をぐっと、奥深くまで挿し込んだ。




+    love me + or not?    +




ゾロの指が膣の奥まで届いて中の突起を擦りあげる感覚は、濡れていればいるほどに気持ちいいとナミは感じていた。

その指は自分の中を知っている。
だのにその指に自分は決して慣れることはない。

いつしか汗ばんでいた体を起こして「先生」と彼を呼ぶと、体内を弄る男が顔を上げた。
首に縋るようにしがみついたらゾロの上に座る形となって、向き合っても彼の視線はナミより低い。
ナミの喘ぐ顔も楽しもうとしていた好奇の目はそこに無く、眼差しは深く、けれども鋭くて、瞳に引かれて唇を重ねた。
責める指の動きは止まない。
内襞を擦られるたびに揺れる快感の波が大きなうねりを持って全身を駆け巡っていく。

舌を絡ませてもう一度先生、と言うと、ゾロが「呼び方変えるんじゃねェのか」と口角を上げた。

「・・・急に変えるのって、難しいんだから」

続くキスの合間にそう言ったら、ゾロの指の動きが激しくなった。
繰り返し何度も激しく突いて、それから指先にこめられた力は内襞をなぞり上げてまた濡れてしまう。

「呼べよ。お前が呼びてェんだろ。」

「いや、バカ・・・ぁ・・・あっ・・・ん、先生、気持ちイイ・・・───」


ぴたりと指の動きが止んだ。

すぐに引き抜かれて、突然のことに疼いていた体が驚いて「どうして?」と考えるよりも先に口が動いた。

「呼んだら挿れてやる。」

「どうしてそういう話になるのよ。」

「てめェの希望通りにしてやろうって言ってんだ。」

「・・・・そういう事言われると、余計に言いたくなくなるのよね」

「たまにゃ素直になってみろ。」


ゾロがその言葉を待ってるかと思ったら、ゾロと呼ぶことが出来なくなる。
でも、そうじゃなくても今までずっと『先生』って呼んでいたのに今更ゾロなんて呼ぶと白々しく聞こえる気がしてますます口に出せない。

「やっぱまだいい。」

考えた後に言うとゾロは唇を真一文字に結んで不機嫌そうに顔を顰めた。
何か文句言うんじゃないかと思ったけど、結んだ唇は開かれず、彼の指はまた私の中に入ってきた。

「あ、や・・・っ」

突然戻ってきた快感に腰を上げて咄嗟に逃げようとすると腰を支えていたゾロの大きな手が抑えつけた。私の中で二つに増えた指がまるで何かを掻い繰るように擦る。その都度揺れる自分の体をもう無理に抑えることはない。
唇も噛まずにいれば吐いた吐息が先生の、先生らしからぬ左耳のピアスに掛かった。
三つのピアスは軽い音を互いに打ち鳴らしあって揺れた。

「先生、私も」

おなかに当たってた先生のソレに手を伸ばしておそるおそる触れると指の動きが止んだ。
先生は慌てているみたいにまたすぐに指を引き抜いて私の肩を押した。
肌に触れた先生の指が濡れていて、私の匂いが私の鼻に還ってくると羞恥心が増して、今はもう何にも塞がれていないアソコから暖かい液体がじわりと流れ出ていった。
体をずらして屈むと肩を持つ先生の手は、私を押し戻そうとしたけど軽く握った先生のモノはピクッて動いて私を待ってるようにも見える。

「おい、待てよ。」

いやよ、待たない。
だって今日は私が先生に気持ち良くなって欲しいのよ。

「誕生日プレゼントなの。でも初めてなんだから、下手でも笑わないでよ。」

先端にうっすらと液体が滲んでた。
これがいつも乱れても脱がないスカートの下で私の中に入ってると考えると、それだけで私はまた濡れてしまう。

「待てって、ゴムくせェし」

「いいの」

舌を出して、どうすれば良いかわからないからソレの先端の液体を舐めた。
先生の体がびくって動いた。
私の肩を掴んでいた手が今度は髪を掴んで、頭に載せた後に、でももう先生は無理に私を止めようとしないからもう一度小さな割れ目を舌でなぞる。
先生がさっき私の胸にしたみたいに、舌先を割れ目に沿って動かしたら、先生の腰が逃げていった。

「下手?」

「違・・・───いいのかよ、さっきテメェに入れたまんまだぜ。」

「いいの。今日は誕生日でしょ?言うこと聞いて。」

「反対じゃねェか、それ」

「いいんだってば。ねぇどうしたら気持ちいいの?」

「そりゃァ・・・おい・・・」

返事にまごついた先生に構わずに先端を口に含んだ。
嗅いだこともない匂いが、ゴム臭さに紛れて鼻を衝く。
それでも私の頭に置かれた先生の指が髪を梳いているから、きっとこれが気持ち良いのだと思っていたら、その手が急に私をソレから引き離した。

「やっぱやめろ」

「初めてだもん、しょうがないでしょ?イヤならどうしたらいいか教えてよ!」

「だから・・・違うんだよ。」

「違うだけじゃわかりません。」

「おま・・・───」

チッと舌を鳴らして先生は「このアホ」と言うと、即座に私を乱暴な力で押し倒した。
固い布団の上で突然ひっくり返ったら背中が痛くなると思ったのに、肩には先生の腕がいつしか回されていてそれほど痛くはなかった。

「出したくなるだろ、気付け阿呆。」

「気持ちいいの?」

「・・・・・るせェ」



笑顔がこぼれてった。
先生はすごく乱暴に私の中に入ってきて、それから肩に回した手に力をこめて、突き上げられた快感から私が逃げないようにする。

あぁ、でも嬉しくて笑みが止まらない。

先生の子供のような拗ねた口ぶりが嬉しくてたまらないから、繋がった部分から響く快感に身を任せて私は「ゾロ」ってその名前を呼んだ。

何度も繰り返し私の奥を衝いて、それから入り口まで抜いて、時折ゆっくりとした動きになって私を見る。

目が合ったからもう一度「ゾロ」って意味もなく、ただ呼びたいから呼んだ。

先生はどう答えれば良いかわからないみたいで、片眉を僅かに上げてじっと私を見下ろしていた後に「おぅ」と小さく答えた。


気持ちいい?

私はとても気持ちいい。


私たち恋人?って聞くと、他に何かあんのかと言う。

その言葉に喜んだ体は達することを望んでた。

先生の背に手を回して快感に溺れたまま爪を立てる。

加減はしない。


もうしない。



痛ェ、と呟いて、でもするなとは言わない彼の耳元で、私は何度もその名を呼んだ。

肌の打ち合う淫靡な音に混じった自分の声が彼にどう聞こえているかと考えることも出来ずに繰り返し呼んだ。
そのたびに彼は激しく私を突き上げて、体の中に渦巻いていた快楽を揺さぶる。


快楽という名の幸福。




+    love me + or not?    +




予鈴の5分後には朝のHRを告げる本鈴が鳴る。
隣のクラスの担任の、鼻の長い先生と何か喋りながら気だるげに歩いてドアの前で手を軽く振ってから先生はドアを開ける。

夕焼け色に染まることが嘘のように教室は朝の白い光に机も椅子も私たち皆を眩しく照らしてる。
手に持った出席簿を開いて先生は誰の顔を見ることもなく出欠を取っていく。

昨日何回も抱き合ったなんて嘘みたいね。

あの後も先生に抱かれて朝起きる時には一日の終わりみたいに体がくたくただったのに、朝の光を受けた教室に居るとそれすらも忘れてしまう。
彼のスーツに隠れた背中には私の付けた傷がある。
くすくす笑ってしまいたい衝動を抑えることに必死で、私は疲れを忘れてしまう。



先生の声はいつもと変わらず事務的にクラスメートの名前を読み上げていく。

手は動かしてない。

返事のなかった人だけレ点を付けて後から出席していた生徒の名前に粗雑な丸を付けるつもりね。

まったく面倒くさがりなんだから。

昨日だって私を送るのが面倒って言って泊まらせようとした。

『面倒』って便利な言葉ね。



でもその面倒くさがりが私の隣で懸命に言葉を紡いでた。

多くは自分のことを棚に上げて、私が鈍いとかあんなにわかりやすかったのにだとか、女ってわかんねェなだとか文句や愚痴だったけれど、一つ一つの言葉の合間から彼の気持ちが伝わってきたから今日の私はご機嫌。

苦しかったあの思いを解く術は、私と先生の中にあった。

そんな事言うなんて思わなかったとつい呟いてしまったのは、嬉しい気持ちを素直に出せない私の悪い癖なのに、先生は少し考えた後に僅かに弱めた声でもう泣かれんのは勘弁だと言って、照れたように頭を掻いた。


私の名前を呼ぶ彼の声が聞こえた。


何ら変わりない声。

特別な人を呼ぶ声じゃない。


私はいつものように平然とした顔で先生に「はい」と答える。






視線が一瞬だけ重なった。






困ったわ、ゾロ。


なくなった切なさの分だけ愛しさが増したから、私はあんたとのことを隠せるか自信がない。


子供だからしょうがないわよね。











窓の外は青空。


茜色に染まったら、その唇にキスをして彼の名を呼ぼう。













+    love you + loves me    +
●アトガキ●

本館のどこかの隠し扉から読める原作18禁ゾロナミのパラレル編ですv
原作の方がナミ誕作品でした^^
(隠しリンクに関する質問は答えられませぬので悪しからず!)

今回は3ページ目のあるシーンが一番書きたいシーンでした。
(だから何だと言われたら・・・あのぅ、そのぅ・・・
いや、こういう事書いたら後書きっぽいかなって・・・)

構想時点ではこの作品のタイトルは【Loves me not】にするつもりでした。
そしたら最近買った洋楽アルバムに全く同じタイトルがあった・・・
こらイカン〜となったので、結局そのままLOVE+GIRL-side parallel-に。
タイトルから内容までとても自信ナイ作品です(汗

ご意見ご感想・誤字脱字のご指摘は大歓迎デスー^^

お気軽どぞv
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